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2023.09.14

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 理想郷譚プロトタイプ
第35話
リセット③

「あれ、エイナもう上がるの?」

「うん。そのつもり」


同僚の言葉にエイナは頷いた。
ギルド本部の窓口。
冒険者の受付ロビーであるこの一階フロアは、床も壁も大理石で覆われ一種の厳粛とした空気が流れている。長方形の窓から差し込む西日が、邸宅並みの広い室内を照らし出していた。
僅かだが姿の見受けられる冒険者達は、設けられた長椅子に腰かけていたり、掲示板の貼り紙を見ていたりと行動は様々だ。担当の職員と一緒に壁際の面談用ボックスに足を運ぶ者もいる。
窓口からロビーの光景を眺めながら、エイナは自分のデスクを一通り整理して席を立った。


「うわ、定時ぴったし!? あのエイナがこんな時間に仕事あがりなんて……うそっ、まさか、男っ!?」

「何でそうなるかなぁ……」


ないないと手をぱたぱたと振って、苦笑しながらロビーを後にする。
お先に失礼します、と最後に振り返って職員用の裏口を出ていった。
扉を閉めた後、『嘘だぁエイナちゃーんっ!?』やら『俺じゃ駄目なのかぁチュール!?』とか、自分の名前を呼ばれたような気がして、エイナは不思議そうに首を傾げた。


「さーて……」


ギルド支給のこじゃれた靴をトッ、トッと鳴らしながら、エイナは住まいとは逆方面に歩み出す。
ギルド職員用の女子寮は本部から確認できるほど近隣にあるのだが、彼女の目指す場所は違った。
エイナの感覚からすれば早引きも当然のこの時間に、ギルドをそそくさと出たのはわけがある。

彼女は肩にかけるバッグを持ち直して北西のメインストリートを歩んだ。
夕暮れに染まるこの通りは、露店はほとんどなく、比較的大きな商店が立ち並んでいる。ギルド本部が設置されている大通りとあって、冒険者関連の店がひしめき合っているためだ。界隈の者達からは、数あるメインストリートの中でも『冒険者通り』などとも呼ばれている。道幅も一際広い。
重装の鎧を身に纏った冒険者一団と危なげなくすれ違ってゆく。大勢の亜人達が踏んでいく石畳は、夕日の色に染まっていた。


(結局、本部の資料だけじゃあ【ソーマ・ファミリア】の情報は公式見解のものしかわからなかった……)


エイナはここ数日、【ソーマ・ファミリア】の内部事情を探る真似をしていた。
何故か、と問われれば、気になるから、という答えが簡潔に返ってくる。
より詳しく明かすなら、「ベルが厄介事に巻き込まれないか不安だから」という補足がついてくるが。


(【ソーマ・ファミリア】の担当者に聞いても、みんな似たようなことしか言わないし……ちょっと自分の足で頑張ってみるか)


ギルドの保管する参考文献から始まり、人づてに情報をかき集めてみても、成果はあまりかんばしくはなかった。
【ソーマ・ファミリア】の結成当初の記録を洗いざらい調べても不審な点は見られず――むしろ運営自体は他【ファミリア】と比べて粛々としている――、仲間内の答えも異常な金への執着が前面に出るばかりで、聞き込みとしては大して前進していない。
構成員達を遮二無二にさせる異様な雰囲気がある、という表面的事実だけに留まっている。


(そもそも違法行為に走る兆候があったら、ギルドも黙っている筈ないんだよね。他の神の【ファミリア】だって、自分の領域テリトリを荒らされるような真似を見過ごすわけないだろうし……)


【ファミリア】の内部事情や運営情報の公開は最低限しか求めていないギルドではあるが、怪しい活動は行われていないか常に目を皿にしている。
もしその【ファミリア】を不穏分子と見なしたなら――市民に害を与えたり明らかなルール違反を犯したなら――オラリオの管理者の名目上、必ず制裁に乗り出すことになる。
火の粉が飛べば、他の【ファミリア】も容赦なく牙を剥くことだろう。
というか、例え一大事に繋がらなくとも、神達が“面白そうな”他【ファミリア】の動向を見逃す筈がないのだ。対岸の火事だったとしても、彼等は確実に首を突っ込む。
そのような一連の事柄が今までなかったということは、少なくとも、事件性を臭わす前兆は【ソーマ・ファミリア】は孕んでいないということになる。


(ギルドや【ファミリア】がまるまる動き出すような大げさな話じゃあない……やっぱり【ソーマ・ファミリア】の内部に限った範囲……)


きな臭いという印象、問題点を列挙するならば、金への執着と……【ファミリア】自体の規模か。
神ソーマの評判に相応しくないほどの大量の構成員、信者があの【ファミリア】にはいる。
一応、不自然な要素と捉えることはできるものだ。


(【ファミリア】の人員の確保、規模拡大のために集団洗脳…………って、やるのかなぁ、あの神達がそんなことを?)


エイナの神達のイメージ像は、掴み所のないひょうきんに過ぎる超越者達。これに尽きる。
神ソーマの性質も把握していないし、切羽詰まった神ならもしかすると悪事に手を染めることも無きにしも非ずといったところだが、流石にそれはナンセンスのように思えた。
神達の取り決めたルールを破れば、即刻天界へ強制送還。そのようなリスクを冒すぐらいなら、彼等は泥をすすろうが黙々と自分の体を資本にして働き出すだろう。


(神ソーマに原因がないとしたら……いや誘因だけが何かしらあったとしたら、【ファミリア】自体が……構成員達が暴走しちゃってる?)


そこまで思考が進んだところで、エイナの歩みが一時止まった。
酒場が視界に現れたのだ。


「う~ん……ここに入るのが一番いいんだろうけど……」


古今東西、情報収集するなら酒場と相場は決まっている。
しかし、エイナには少し気が引ける場所でもあった。
制服を着たまま仕事の帰りに直行するのはいかがなものかという理由もある。ギルド職員である自分が探りを入れることで【ソーマ・ファミリア】に風評被害が及ぶという懸念もある。
だが一番の理由は、エイナが女ということ――種族関係ない男達が、彼女を放っておかないということだ。


「あはは……やっぱダメだ」


もしこのまま一人でエイナが酒場に入ろうものなら、冒険者達は花に群がる蜂のようにたかり始めるだろう。
ココはエイナにとって鬼門だ。それこそ、おいでませと手を振って狼が舌なめずりをしているように見えるくらいには。何も知らない赤頭巾になるつもりは毛頭ない。
エイナは歩みを再開させる。


(自惚れているわけじゃないんだけど……)


エイナは自分の容姿にそれなりの自覚がある。
他種族の間でも美女美男子と誉め称えられるエルフの血を半分引いているのだ、男達も目の色を変えて自分を放っておこうとしないのも納得できる。
後は、まぁ、言い寄られたこともぼちぼち……どころか、数え切れないほど経験してきたから。


(別に、お付き合することに鈍感なわけじゃないんだけどなぁ……)


本部を出る際、男かと勘ぐり驚いていた同僚の顔を思い出す。
そこまでエイナは生娘を気取ってはいないつもりだ。彼女ももう十九、交際している異性がいても何らおかしくない。彼女自身、ちょっと物欲しげに思う時だってあるにはある。
仕事欲に完敗している節があるが。


(でも、なかなか『この人だ!』っていう人がいないんだよね……)


エイナに詰め寄ってくる相手は大抵“男らしい男達”だった。
早い話が冒険者達なのだが、彼等はみなたくましく精悍だ。エイナを振り回す勢いでぐいぐい引っ張ってくれそうな、そんな頼りがいのある者達ばかり。
そんな彼等だから、ちょっとエイナには気後れしてしまうところがあった。


(もうちょっと頼りなくてもいいかなー、なんて……)


自他ともに世話焼きであると認めるだけあって、こう、もうちょっと甲斐性がない方が好ましいかもしれない、とエイナはそんな身も蓋もないことを思ってしまう。
一人じゃ困って困って困っていて、それでも何とか一人で頑張ろうとしていて、結局最後にはとぼとぼとエイナのもとにやってくるような、そんな人物。
エイナもしょうがないなぁと笑いながら世話を焼き、二人で協力し合いながら築く持ちつ持たれつの関係。
自分を頼ってくれる、というより保護欲をくすぐるくらいの相手が、エイナにはちょうどいい。


(あーあ、どこかにベル君みたいな男の人いないかなー……)


うん、それだ。
一番ぴったり来る。言葉にしてみてよくわかった。
そうだよ私ベル君みたいな男の人がいいんだよーあははー、とエイナはこれ以上のなく納得した。


(……って)


おいおい、と虚空に片手で突っ込みを入れる。
“ベルみたいな男”では――もうまんまではないか。
何もないところで勝手に赤くなり、誰もいないところで「あは、あはははっ!?」と勝手に笑い出すエイナだった。


「あっ、着いた着いた!」


自分一人なのにわざと過ぎるくらい声を張った。顔の熱が冷めきらないまま、ごつごつとした加工石で構築された二階建ての道具屋アイテムショップへ入る。
掲げられている店名の看板は、『リーテイル』。
板張りの店内に足を踏み入れた瞬間、エイナを包み込んだのはひんやりとした空気の流れだった。
魔力を冷気変換する魔石装置の完備はよしと、ギルド職員の性か、入店一番に査察思考が入ってしまった。

エイナがこの場所に足を運んだ理由は、【ソーマ・ファミリア】が販売している酒を調べるためだ。
選択肢がこれくらいしか残されていないこともあるが、もし洗脳の類を疑ってかかるのなら、不自然に少量の酒を売り込んでいるのはどことなく臭う。一度調べてみる価値は少なからずあるように思えた。
エイナ自身これで何かがわかるとは思ってはいないが、当初の予定通りにことを進めるようにした。


「ずっと前に来たより品数が増えたかな?」


硝子より遥かに強度を増した透明のクリスタルケースが、店内の中央を陣取るように縦横に並んでいる。背の高いそれら陳列棚をエイナは首を振って見て回った。
道具屋だけあって陳列棚に収まっている品物は多い。
丸底フラスコに溜まっている青い液体はポーション、細い試験管の緑の液体は解毒薬、洒落たデザインのボトルに入っているのはエリクサー……。
冒険者が使うアイテムの多くは液状の形を取っている。アイテムを製造するのは各【ファミリア】の構成員で、冒険者のアイテムはほとんどが彼等の手によって作り出されていた。
効果のほどと風味等は【ファミリア】によってそれぞれ違い、値段の示す通り高価なものがより品質が良いと評価されている。
ポーション一つ取っても500ヴァリスのものもあれば10000ヴァリスのものもあった。

エイナは酒屋や酒蔵に明るくないので、【ファミリア】の商品なら基本的に取り扱っている道具屋を代わりにすることにした。
この『リーテイル』は『冒険者通り』に面する敷地を勝ち取っただけあって、冒険者を抱える【ファミリア】の間で評判は高い。品揃えも多い方だ。
エイナは冒険者用アイテムの棚を一通り見た後、『グロサリー』と矢印で表示される店舗の隅へ向かった。


(わっ! あったあった!)


多くのボトルが並ぶ黒色の酒棚の中で、【ソーマ・ファミリア】のプレートを見つけエイナははしゃぐ。
ケースに入っているのは、飾り気のない本当にただのガラス瓶と言ったところ。中身も透明だ。贔屓目に見ても、あまり美味しそうには見えない。
しかし他の酒が多く準備されている中、【ソーマ・ファミリア】のものは一つしかなく、需要が高いというのは事実のようだった。
最後の一本ということは、きっと運が良かったのだろう。


(……『ソーマ』?)


やる気の全く感じられない白紙のラベルを見て、エイナはエメラルド色の瞳を瞬きさせる。
主神と同じ酒の銘柄……神ソーマ自身が名付けたのだろうか?
エイナは小首を傾げながら、ケースから商品を取り出してもらおうと店員を呼ぼうとして、値段をふと見た。
33000ヴァリス。
ごんっ! とエイナは額を棚に打ちつける。


(え、えぇ~~~~~!? た、ただのお酒なのに!?)


――信じられない! ベル君の装備一式より高いよ!
エイナは赤くなったおでこを擦りながらまじまじと『ソーマ』を見た。
装備品を含めて冒険者の扱うアイテムの相場は高い。ものにもよるが、一般市民の雑貨品とは元々の位が違うのだ。
冒険者用のアイテムと同等かそれ以上の価格となると、とてもではないが一般人がおいそれと手を出せる代物ではない。
嗜好品のレベルとして桁が違い過ぎる。


(て、手持ちのお金、こんな持ってきてるわけない……)


ギルドの給料は並の冒険者の収入と比べて負けず劣らず高給だが、流石に30000ヴァリスは常に懐に入れて持ち歩く額ではない。
それにまず、一発購入すればエイナの生計が少し際どいところまで逼迫する。つい先日ベルに防具をプレゼントしたばかりなのだ。
陳列棚の目の前で、エイナはここぞとばかりにうんうんと懊悩した。


「……エイナか?」

「えっ?」


耳朶を撫でる冴えた声。
呼ばれた自分の名前に、エイナはくるっと振り返る。
背後にいたのは、女性としては長身のエルフの麗人だった。
きらきらと輝く翡翠色の髪を背中のあたりまで伸ばし、一本に縛っている。美しい長髪をくぐって伸びる耳は、木の葉のように尖って上向いていた。
容姿に優れたエルフの中でも、その見目は仙姿玉質とした美しさを誇っていた。超俗していると言ってもいい。
凛とした気品を絶えず身に纏う彼女のその瞳の色は、エイナのものと同じ、いや更に澄み切った翡翠色だ。
エイナは今度こそ仰天した。


「リ、リヴェリア様!?」

「やはりお前か……。久しいな、少し見ない間に随分と綺麗になった。見違えたぞ」


笑み、とは言えるほどではないが、口元は柔く曲げるリヴェリア・リヨス・アールヴに、エイナは急いで畏まった。


「あ、ありがとうございますっ! か、過分なお言葉、身に沁みる思いでっ……!」

「……その言葉遣いは止せ。ここはエルフの里ではないんだ。そもそも、お前は里の生まれですらあるまい。敬われる覚えはないぞ」

「で、ですが、高貴な御方には畏敬の心を忘れてはならないと、母に……」

「あのアイナでさえ娘にそのようなことを吹き込むか……。嘆かわしいな、共に里を逃げ出した仲だというのに」


ふぅ、と見てる方が溜息をつきたくなるような吐息をし、リヴェリアはエイナをじろっと見つめる。


「最低限の弁えは確かに心得るべきものだが、それ以上は不要だ。私はあの檻の中のような堅苦しい扱いには心底うんざりしている。私のことを敬うと言うのなら、まず私の心中を汲め」

「そ、そんな……」


リヴェリアの威圧混じりの言葉にエイナはたじたじになってしまう。
確かにエイナは、世界に大きく開いた多種族入り乱れる自由都市の生まれで、エルフの里は知識でしか知らないが……目の前にいる相手は、王族ハイエルフだ。
自分の体の中に流れる半分の血が、勝手に頭を下げさせてしまう。


「何も完全に砕けろとは言っていない。過敏になるな、そう言っている」

「わ、わかりました……」

「よし」


満足気にするリヴェリアとは逆にエイナの方は気が気ではない。眉が変な方向に曲がってしまう。
参っちゃったなぁという言葉を胸の裏に隠しつつ、けれどそこで意識を切り換えて、改めてこの再会を喜ぶことにした。
子供の頃、エイナの生まれ故郷で何度か会ったきり、リヴェリアとは顔を合わせていなかった。
エイナの方はギルドに就職してからその役職柄、すぐにリヴェリアの存在を知ることになったが、仕事の都合上、そう易々と会いにいける関係ではなくなってしまったのだ。
会いにいけないというわけでもなかったのだが、尻込んでしまったのである。


「元気そうで何よりだ。まさかギルドに身を置いていたとはな」

「すいません、連絡をしようとは思っていたんですが……」

「気にするな。私もこの都市に来てからはダンジョンにもぐる毎日だ、他のことにかまける余裕はなかった。ずるずると後回しになっていただろう」


リヴェリアは頷く仕草一つとっても洗練されていた。
エイナも自分の母親から品の良いたたずまいを見て育った口だが、やはり王族出身の彼女とは比べるまでもない。
少し次元が違い過ぎる。


「リヴェリア様はどうしてここに?」

「なに、先日のダンジョン探索でアイテムを切らしてしまってな。その補充だ」

「リヴェリア様は回復魔法が使えた筈……と聞くのは愚門ですね」

「ああ。魔法も万能ではないからな。アイテムで間に合うなら、それに越したことはない。エイナの方はどうした?」

「あっ……」


問われて自分の目的を思い出した。
といっても、実際身動きが取れない状態だ。思い出したからといってどうすることもできない。
リヴェリアに「話してみろ」と促されたので、エイナは少しためらいながら、【ソーマ・ファミリア】の核心には触れないように話すことにする。


「ほう、この酒か。私の【ファミリア】でも愛好している者が多いな」

「え……あ、あのっ、リヴェリア様? このお酒を嗜んでいる方で、依存症とか、少し普通じゃない症状を引き起こしている方はいらっしゃいますか?」

「私の目には酒飲みなどみな普通ではないように見えるが……まぁ、常軌を逸した素振りを見せる者はいないな。何故そんなことを聞く?」

「ええっと……その、友人にこのお酒を勧められたんですけど、“あの”【ソーマ・ファミリア】のお酒と聞いて、ちょっと偏見が……」


少しだけ事実を織り交ぜて話した。
質問した内容の誤魔化しが利きにくかったのと、リヴェリアに尋ねてみることで、何かしら進展が得られるかもしれないと思ったからだ。


「なるほど、そういうことか……。確かに、あの【ファミリア】の団員の言動は薄ら寒いものがあると聞くな」

「リヴェリア様は、何かご存じではありませんか?」


少し期待をして、少し声を弾ませてしまった。
それがいけなかったのか。リヴェリアは心持ち踏み込んでくるエイナを、片方の目を瞑ってじっと凝視した。
うっ、とエイナは詰まる。しまった、とも思った。
リヴェリアは鋭い。心の機微を容易く看破し、相手の事情を見抜いてくる。幼少時、彼女の前だけでは隠し事ができなかった。
【ソーマ・ファミリア】を詮索していることがバレてしまっただろうか。エイナは冷や汗を湛えながらリヴェリアの反応を待つ。


「……まぁいい。生憎だが、私はあの【ファミリア】について知っていることはあまりない。それこそお前と同じか、それ以下だろうな」

「そ、そうですか」


しっかり感付かれてしまっているが、言及がなかったことにエイナは胸をなで下ろす。
リヴェリアはそんな彼女をしばらく観察してから、口を開いた。


「私は知らないが……【ソーマ・ファミリア】の事情を、少なからず知っているであろう人物なら心当たりがある」

「……えっ?」

「付いてくるか? 私達の【ファミリア】のホームに」



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